9-19高圧遠心送風機は、高静圧・中風量領域に特化した遠心送風機シリーズであり、化学工業、冶金、ガラス工業、鉱山など、高い圧力損失が発生する配管系統で広く採用されています。従来の一般的な遠心送風機では対応しきれない長距離ダクトや高抵抗フィルタを有するシステムに対して、9-19高圧遠心送風機は安定した風量と圧力を確保し、プロセスの安定運転を支える役割を担います。適切なインペラ形状と高効率な流路設計により、高静圧と効率の両立を実現していることが本シリーズの大きな特長です。
構造面では、9-19高圧遠心送風機は頑丈なケーシングと高強度インペラを採用し、高速回転と高圧運転に耐えられる設計となっています。インペラには後傾羽根や放射状羽根など用途に応じた形状が選択され、流体損失を最小限に抑えながらも、粉じんや高温ガスを含む過酷な流体に対応できるよう配慮されています。また、軸受部には信頼性の高いローラベアリングと適切な潤滑システムを採用し、長時間連続運転においても安定した性能を維持できるよう設計されています。必要に応じて高温仕様、耐摩耗仕様、防食仕様などへのカスタマイズも可能です。
9-19高圧遠心送風機は、ボイラ送風、燃焼用空気供給、集じん装置前後の送風、プロセスガス搬送など、多様なシーンで利用されています。特に化学工業や非金属鉱山では、粉じんを多く含んだガスや腐食性を帯びたガスを安定的に搬送することが求められます。そのため、必要に応じて耐摩耗ライニングや防食コーティングを施し、ライフサイクルコストを抑えつつ、計画停止まで安定運転を継続できる仕様が採用されます。ダクト抵抗が大きく変動するプロセスにおいても、9-19高圧遠心送風機は十分な余裕を持った圧力特性を備えているため、運転条件の変化に柔軟に対応できます。
さらに、省エネと運転管理の面でも9-19高圧遠心送風機は優れた選択肢となります。インバータと組み合わせることで、必要風量に応じた回転数制御が可能となり、不要な電力消費を大きく削減できます。また、振動・温度・電流値のモニタリングシステムを導入することで、軸受異常やアンバランスなどの兆候を早期に検知し、予防保全につなげることができます。鉱山用送風機メーカーとして培った高圧・高信頼性技術をベースに設計された9-19高圧遠心送風機は、鉱山通風設備だけでなく、さまざまな産業換気・プロセス送風システムにおいて中核となる機種として活躍しています。