設備導入事例は、鉱山用送風機や集じん設備、工場換気設備、スマート監視システムなどを実際の鉱山・工場・地下工事現場に導入した際の成果をまとめたものです。新規設備の採用を検討しているユーザーにとって、カタログスペックだけでは分かりにくい運転実績や省エネ効果、保守性の改善などを具体的な数値で確認できる点が大きな魅力です。設備導入事例を通じて、主換気送風機の更新、局所送風機の追加、集じんシステムの新設、監視システムの導入などが、どのように現場の課題解決につながったかを理解することができます。
鉱山分野の設備導入事例では、老朽化した主換気送風機を高効率の対向回転軸流送風機に更新したケースが代表的です。既設主扇では振動増大や効率低下、予期せぬ停止が問題となっていた現場で、新しい主換気送風機に更新した結果、風量と静圧を維持しながら電力消費が大幅に削減され、通気状態も安定したという報告があります。また、局所送風機についても、従来型から高効率かつ低騒音の新シリーズに切り替えることで、切羽の粉じん濃度が低下し、作業員の安全性と作業性が向上した事例が見られます。これらの設備導入事例では、更新前後の風量・静圧・電力・振動値などを比較することで、設備投資の効果を定量的に示しています。
工場換気や集じん設備の導入事例では、高温排ガスや腐食性ガスを扱う冶金・化学・ガラス工場における送風機更新が注目されます。例えば、ガラス工場では窯炉排ガス用送風機を耐高温・高効率タイプに更新し、煙道圧力の安定と熱回収設備とのマッチングが改善されました。化学工場では、腐食性ガスラインに耐食遠心送風機とバグフィルタを導入し、漏えいリスクとメンテナンス頻度を低減しています。また、粉じんの多い非金属鉱山やセメント工場では、集じん用送風機と湿式または乾式集じん装置を組み合わせたシステムが導入され、排出粉じん濃度の削減と作業環境の改善に大きく寄与しています。
近年の設備導入事例では、省エネとスマート監視の導入も重要なテーマとなっています。インバータ制御付き送風機やオンライン振動監視システムを組み込んだ設備は、風量の最適化と早期故障検知を可能にし、ライフサイクルコストの削減につながっています。設備導入事例では、電力削減率や投資回収期間、トラブル件数の変化など、経営指標に直結するデータも合わせて提示されることが多く、意思決定者にとって非常に有用です。鉱山用送風機メーカーは、こうした設備導入事例を蓄積・公開することで、自社技術の信頼性を示すとともに、ユーザーにとって最適な換気・送風ソリューション選定を支援しています。
