連続運転用送風機は、鉱山主扇や深部坑道の補助扇、選鉱プラント、トンネル換気設備、大規模工場の換気システムなど、停止が許されない現場で使用される高信頼性の産業用送風機です。鉱山では、主扇が24時間連続運転で坑内の通風を維持し、ガスや粉じんの排出、温度・湿度の管理、安全基準の確保を行っています。連続運転用送風機は、このような厳しい要求に応えるべく、長寿命軸受、堅牢なケーシング、適正な安全率を持つ羽根車設計など、信頼性を最優先に設計されたモデルです。
連続運転を前提とした送風機では、流体性能だけでなく、機械的強度と耐久性が極めて重要になります。羽根車は高強度鋼板や溶接構造を用い、高回転による遠心力や起動・停止時の応力に十分耐えるよう設計されます。ケーシングには必要な補強リブを配置し、振動や圧力変動による疲労を抑えます。軸受は高品質のローラーベアリングやスラストベアリングを採用し、適切な潤滑方式と冷却方式を組み合わせることで長期連続運転を支えます。鉱山用送風機で培われた設計基準と試験データが、連続運転用送風機の信頼性の裏付けとなっています。
また、連続運転用送風機では、状態監視と予防保全の仕組みが非常に重要です。振動センサーや温度センサー、電流監視装置などを組み合わせ、軸受の摩耗や羽根車汚れ、アンバランスの兆候を早期に検知します。インバータ制御やソフトスタータを併用することで、起動・停止時の電気的・機械的負荷を低減し、設備寿命を延ばすことができます。遠隔監視システムと連携すれば、鉱山やプラントの中央制御室から送風機群の状態を一括監視し、異常時には早期対応が可能です。
保守面では、連続運転用送風機のメンテナンスを計画的に実施することが求められます。潤滑油やグリースの交換、軸受すきまの確認、ベルト駆動の場合は張力・摩耗の点検を定期的に行うことで、予定外停止のリスクを大幅に低減できます。内部の清掃や羽根車バランス調整も、長期的な効率維持と振動低減に効果的です。連続運転用送風機は、鉱山主扇をはじめとした重要設備の心臓部として、通風・換気・排気の信頼性を長期にわたって支え続ける存在であり、現場の安全と生産性に直結する中核機器です。