風量とは、一定時間当たりに送風機や通気路を通過する空気の体積を表す指標であり、鉱山換気において最も基本的な設計量のひとつである。坑内における必要換気量は、作業員が安全に呼吸できる空気を確保するだけでなく、メタンなどの可燃性ガスや一酸化炭素、粉じんを許容濃度以下に保つためにも重要な意味を持つ。
鉱山では、採掘規模や使用機械、熱発生量、ガス湧出量などをもとに、各区域に必要とされる風量が算定される。作業場ごとの必要換気量を積み上げることで、鉱山全体として必要な総風量が求められ、それに基づいて主扇風機や補助送風機の容量が決定される。風量の過不足は安全性とエネルギー消費の両面に影響するため、適切な値を見極めることが通気設計の基本となる。
風量の管理には、坑道断面における風速測定が用いられる。断面の形状と面積を把握したうえで、複数点で風速を測定し、その平均値を用いて風量を推定する。測定結果は、通気計算や設計値と比較され、風門の開度調整や通気網の見直しなどに反映される。これにより、計画どおりの風量配分が維持されているかを確認することができる。
風量は安全管理の観点でも重要な監視項目である。ガス濃度や温度が上昇しやすい区域では、必要風量を下回ると危険が高まるため、定期的な測定と記録が求められる。反対に、必要以上に大きな風量を流すと、粉じんの巻き上がりや騒音増加、不要な電力消費につながるため、適切な範囲での制御が望ましい。
このように、風量は鉱山通気の設計・運転・監視のすべての場面に関わる基本指標であり、通気システムの健全性を判断する基盤となる量である。通気網と送風機の性能を総合的に見直しながら、各区域に最適な風量を安定して供給することが、鉱山の安全と省エネ運転の両立につながる。