風筒は、布や合成樹脂などの柔軟な材質で作られた送風用の筒状ダクトであり、局所扇風機と組み合わせて採掘切羽やトンネル掘削先端へ新鮮空気を送り込むために使用される。鋼板製の送風ダクトに比べて軽量で折りたたみが可能なため、坑道内での運搬や敷設が容易であり、掘進の進行に合わせて迅速に延伸や移設が行える点が大きな特徴である。
風筒は通常、一定間隔で吊り金具やワイヤによって天井や側壁から吊り下げられ、局所扇風機の吐出口と切羽付近の吹き出し口をつなぐ。柔軟である一方、強度や気密性も求められるため、素材には耐摩耗性と防炎性を兼ね備えたものが用いられる。接続部にはリングやジッパー、専用のバンドなどが用いられ、気密を保ちながら延長できる構造になっている。
風筒の設計では、内径と長さによって決まる通気抵抗と、必要とされる風量や風速とのバランスが重要となる。内径が小さすぎると抵抗が増し、局所扇風機に大きな負荷がかかる一方、過度に大きいと設置スペースやコストが増える。坑道断面や作業条件を踏まえ、適切な径と材質を選定することが求められる。また、曲がりの多い敷設や風筒のたるみは通気性能を低下させる要因となるため、施工時には形状の維持にも注意が必要である。
安全管理の面では、風筒の破れや接続部の外れを早期に検知し、速やかに補修する体制が重要である。風筒が損傷した状態で運転を続けると、切羽に必要な風量が届かず、ガス濃度や粉じん濃度が上昇するおそれがある。定期点検で縫い目や吊り金具、接続部を重点的に確認し、摩耗や紫外線劣化が進んだ部分は計画的に交換することが望ましい。
風筒は、鉱山やトンネルの局所通気を支える実用的な設備であり、適切な選定と施工、保守管理によって通気システムの柔軟性と安全性を高めることができる。局所扇風機や送風ダクトと組み合わせ、採掘の進展に追随する通気計画を構築することで、常に作業現場に十分な新鮮空気を供給し、健全な作業環境を維持することが可能となる。