排気坑道は、採掘切羽や設備周辺を通過して汚染された空気を集め、排気立坑へ導くための通気路であり、通気網の排気側を構成する坑道である。排気坑道を通じて、有害ガスや粉じん、熱を含んだ空気が地表へ運び出されるため、その設計と管理は鉱山通気の安全性に直結する。
排気坑道は、通常、入気坑道とは別系統として計画され、汚染された空気が入気側へ混入しないように配置される。採掘区域からの分岐が多いほど排気坑道は複雑な形状になりやすく、通気計算によって各区間の風量と圧力損失を把握することが重要となる。断面が狭い区間や曲がりが多い区間は通気抵抗が大きくなり、主扇風機の負荷増加や局所的な風量不足の原因となるため、必要に応じて拡幅や補修を行うことが求められる。
構造面では、排気坑道は長期間にわたって湿気や腐食性ガス、粉じんにさらされる環境にあるため、支保工や内壁の劣化が進みやすい。支保材の腐食やコンクリートの剥離が進行すると、落石や断面狭小化を引き起こし、通気だけでなく安全な通行にも支障をきたす。定期的な点検と維持補修により、通気断面と構造安全性を保つことが重要である。
排気坑道はまた、ガス濃度や温度が高くなりやすい区域であるため、作業計画にも配慮が必要となる。通常の移動や運搬路は入気側を優先し、排気坑道での常時作業は可能な限り避けることが望ましい。やむを得ず排気坑道内で作業を行う場合には、ガス測定と換気確認、防護具の使用を徹底し、滞在時間を最小限に抑えることが求められる。
排気坑道は、通気システムの出口側として汚染空気を確実に運び出すための要となる坑道であり、その状態管理は主扇風機の運転条件と密接に結び付いている。適切な断面と構造を維持し、通気抵抗を抑えた排気坑道を確保することで、鉱山全体の通気を安定させ、安全で効率的な採掘を支えることができる。