反風とは、鉱山の通気が本来計画された方向とは逆向きに流れてしまう現象を指し、坑内安全にとって極めて危険な状態である。通常は主扇風機が入気と排気の流れを一方向に形成しているが、何らかの要因で圧力関係が崩れると、排気側の汚染空気が入気側へ逆流し、作業場に有害ガスや発破煙が急速に広がる可能性がある。
反風が発生する主な要因としては、主扇風機の停止や誤運転、坑内爆発による急激な圧力変化、風門や仕切り壁の破損・誤操作などが挙げられる。特にガス爆発の直後には、爆圧によって一時的に通気方向が乱れ、通気の逆流や渦流が生じやすくなるため、事前に反風を想定した避難計画と通気復旧手順を整備しておくことが重要である。
反風対策としては、まず通気計画の段階で、可能な限り直列通気を基本とし、短絡通気や複雑なループを避けることが挙げられる。また、逆止めダンパや風門の配置を工夫し、主扇風機の停止時でも急激な通気逆転が起こりにくい構成とすることが望ましい。主扇風機の二重化や予備電源の確保も、反風発生リスクを低減する有効な手段である。
運転管理の面では、坑内各所の風向と風速、ガス濃度を定期的に測定し、反風につながる異常兆候を早期に把握することが求められる。風向旗や風向計、ガス検知器を要所に設置し、異常時には速やかに作業員を安全区域へ退避させる体制を整えることが重要である。また、風門操作や仕切り設置に関する教育を徹底し、人的ミスによる通気の乱れを防止することも欠かせない。
このように、反風は鉱山通気における最も危険な現象の一つであり、通気の逆流を前提とした設計・監視・教育が不可欠である。反風のメカニズムと発生要因を正しく理解し、主扇風機や通気網の保守管理を適切に行うことで、通気安全管理の水準を高め、坑内作業のリスクを大きく低減することができる。