通気システムとは、鉱山やトンネルなどの地下空間において、主扇風機や補助扇風機、入気立坑・排気立坑、入気坑道・排気坑道、通気網、通気調整設備などを組み合わせて、計画的な空気の流れを形成する仕組みである。通気システムの目的は、作業員に必要な酸素を供給しながら、有害ガスや粉じん、熱を安全に排出し、快適で安全な作業環境を維持することにある。
鉱山の通気システムでは、まず地表に設置された主扇風機が通気網全体に必要な風量と静圧を与え、入気坑道を通じて地下へ空気を送り込む。空気は各採掘区域や設備周辺を通過し、ガスや粉じんを希釈しながら排気坑道へと向かい、最終的に排気立坑を経由して外気へ放出される。この大きな流れに対して、坑内通気送風機や局所扇風機が局所的な通気を補い、切羽や作業場でのガス・粉じん濃度を低く保つ役割を果たす。
通気システムの設計では、通気方式の選定が重要な要素となる。一方向に風を流す直列通気を基本としつつ、増圧ファンの配置や複数坑口の利用など、鉱山の地形や採掘計画に応じた構成が検討される。また、通気網の各区間の流量と圧力損失を計算し、風門や通気仕切り、ダンパを適切に配置することで、必要風量を確実に確保しながらエネルギー損失を抑えることが求められる。
安全面から見ると、通気システムはガス監視や風速測定と密接に結びついている。メタンや一酸化炭素などの有害ガス濃度を連続的に監視し、警報レベルに到達した場合には風量を増やしたり、危険区域を閉鎖したりする制御が必要となる。これらの情報は、通気シミュレーションや運転データと組み合わせて解析することで、通気システムの改善や省エネ運転の検討にも活用できる。
近年は、通気システムに対してインバータ制御や遠隔監視、自動制御を導入する動きが進んでいる。通気負荷の変動に応じて主扇風機の回転数を自動的に調整し、必要な風量を維持しながら電力消費を抑える仕組みや、通気設備の状態を遠隔から監視して故障の兆候を早期に把握する仕組みなど、通気システムはますます高度化している。このような通気システムの適切な設計と運用が、鉱山の安全確保と生産性向上、省エネの実現に大きく貢献している。