FBCDシリーズ 鉱山用防爆・排気式対向回転軸流局所送風機

一、製品概要

FBCDシリーズ鉱用防爆形排気式対向回転軸流局部通気用送風機は、山東博風風機有限公司が国内の先進的な対向回転軸流局部送風機技術をベースとして独自に開発した、新世代の高効率局部通気設備です。本シリーズの送風機は、炭鉱坑内のさまざまな断面をもつ坑道掘進における排気式通風を主用途としており、構造が合理的で効率が高く、運転騒音が低いことを特長としています。とくにメタン爆発の危険性がある鉱山の回風坑道に適した局部通気用送風機です。

二、製品の特長

防爆安全性
装置全体が鉱用隔爆形構造であり、送風機および電動機はともに ExdI 防爆認証を取得しています。銅製インペラを採用することで、静電気の蓄積や摩擦火花の発生を抑制し、坑内作業の安全性を高めています。

対向回転による高効率
二つのインペラによる対向回転構造を採用し、それぞれを2台の電動機で駆動します。これにより、風量と静圧を効果的に向上させ、送風（排気）距離を長く確保しつつ、消費電力を抑えた高効率運転を実現します。

低騒音かつ長寿命
内筒には消音材をライニングしており、運転時の騒音が低く、作業環境を良好に保つことができます。設計寿命は5年以上とし、初回大修前の安全運転時間は13 000時間に達します。

最適化された構造
送風機外郭および各構造部材は鋼板溶接構造で、高い強度を備えています。電動機は風道内部に密封配置され、排気流と完全に隔離されるため、風流中の介質の影響を受けにくく、安全性と信頼性の向上につながります。

保守の容易さ
モジュール化された構造により、据付、点検、保守が行いやすく、現場での作業負担を軽減します。

三、適用範囲および使用条件

主な用途は、メタン爆発の危険性を有する炭鉱坑内環境における回風坑道での使用であり、負圧風筒と組み合わせて排気式局部通気を行うものです。

使用条件は次のとおりです。

介質温度：-20 ℃～+40 ℃

海抜高度：1000 m未満

湿度条件：25 ℃時に95 %以下

輸送ガスは強い腐食性成分を含まないこと

電源条件：380/660 V または 660/1140 V、電源周波数 50 Hz、電圧変動範囲は定格値の±5 %

送風機吸込口の縁は、地面または天盤から0.3 m以上の高さを確保し、接続する風筒は最大静圧に十分耐えられる構造であることが求められます。

四、適用規格

本シリーズ送風機は、以下の規格に準拠しています。

MT222-2007「炭鉱用局部通風機 技術条件」

Q/BFJ004-2007「FBCDシリーズ鉱用防爆排気式対向回転軸流局部通気用送風機」

五、形式表示

表示例：FBCD No 6.3／2×22

F：送風機
B：防爆形
C：排気式（抽出式）
D：対向回転構造
No 6.3：インペラ直径 6.3 dm
2：2台の電動機を使用
22：各電動機の出力 22 kW

このように記号を組み合わせることで、機種、インペラ径、電動機台数および出力などの仕様を表します。

六、構造および原理

送風機は主として、集流器、主機部、電動機、隔流室、ディフューザ風筒接続部などの要素から構成されています。二つのインペラはそれぞれ別個の電動機により駆動され、対向回転による運転を行います。電動機は内側風道内に密封され、排気流と隔離されているため、安全上のリスクを低減できます。インペラには銅材を採用し、静電気および火花の発生を抑制します。外郭および構造部材はすべて鋼板溶接構造で、高い強度と耐久性を備えています。内筒には消音層を設け、運転騒音を大幅に低減します。

このような全体構造により、坑内における排気式局部通気で、安全かつ信頼性が高く、効率的な運転を実現します。

1 − 集流器  2 − 第1段主機部  3 − 第1段電動機  4 − 第1段インペラ部
5 − 第2段インペラ部  6 − 第2段主機部  7 − 第2段電動機  8 − 隔流室
9 − ディフューザ風筒接続部

図1　FBCD 鉱用防爆形排気式対向回転軸流局部通気用送風機

七、製品仕様

FBCDシリーズはシリーズ化製品であり、多様な機種・仕様を揃えているため、必要とされる通風量、静圧および坑道断面条件に応じた選定が可能です（詳細は技術性能および外形・据付寸法表を参照）。

通風機技術性能および外形・据付寸法表