FBDシリーズ 鉱山用 隔爆型 押込式対向回転軸流局所送風機

一、総体構造

FBDシリーズ送風機は、集流器、第Ⅰ段主機（第Ⅰ段ケーシング、第Ⅰ段インペラ、第Ⅰ段電動機）、第Ⅱ段主機（第Ⅱ段ケーシング、第Ⅱ段インペラ、第Ⅱ段電動機）、拡散器などの主要部から構成されています。

装置全体は鋼板溶接構造で製作され、内部には消音材が配置されており、隔爆・防爆構造設計により、高い安全性と信頼性を備えています。

対向回転構造が大きな特長であり、同一出力の隔爆形電動機2台がそれぞれ1つのインペラを駆動します。第Ⅰ段インペラは時計回り、第Ⅱ段インペラは反時計回りに回転し、高効率な対向回転送風を実現します。

1— 集流器 2— 第Ⅰ段主機部 3— 第Ⅰ段電動機 4— 第Ⅰ段インペラ部

5— 第Ⅱ段インペラ部 6— 第Ⅱ段主機部 7— 第Ⅱ段電動機 8— 拡散器

図1　FBDシリーズ鉱用隔爆形押込式対向回転軸流局部通気用送風機

二、動作原理

1. 吸込と加速

気流は集流器側から軸方向に沿って第Ⅰ段主機内へ流入します。
集流器の曲面形状の吸込口およびガイドカバーにより、吸込抵抗が効果的に低減され、第Ⅰ段インペラに対して均一でスムーズな吸込条件が与えられます。

2. 第Ⅰ段主機の作用

第Ⅰ段インペラは第Ⅰ段電動機によって回転し、気流に対して一次加速を行うとともに、気流の方向に一定の偏向を与えます。
第Ⅰ段ケーシングはインペラ・電動機の支持構造であると同時に、内部の消音層により騒音を低減する役割も果たします。

3. 第Ⅱ段主機の作用

第Ⅰ段インペラにより加速・偏向された気流は、その後第Ⅱ段主機へ流入します。
第Ⅱ段インペラは第Ⅱ段電動機によって駆動され、その回転方向は第Ⅰ段と逆（対向回転）であり、気流に対する二次加速を行うとともに、気流方向を再度逆向きに偏向させます。
第Ⅱ段ケーシングの構造は第Ⅰ段とほぼ同様で、内部の消音層により騒音低減の機能も有しています。

4. 拡散と排出

第Ⅱ段インペラで加速された気流は、拡散器へと導かれます。
拡散器は拡散筒とガイドカバーから構成され、出口付近の局部抵抗をさらに低減し、気流の排出効率を高めるとともに、残留騒音の消音処理も行います。
最終的に気流は軸方向に沿って安定した状態で排出され、通気プロセスが完了します。

三、主要構成部品の解説

集流器
曲面形状の集流口とガイドカバーにより、吸込抵抗を効果的に低減し、吸込気流の品質を高めます。

第Ⅰ段／第Ⅱ段主機
それぞれケーシング、インペラ、電動機で構成され、二段対向回転による加速を行うことで、風量と風圧を高めます。ケーシング内部には消音層が設けられており、装置全体の運転騒音を低減します。

拡散器
拡散筒とガイドカバー構造により、排気抵抗を低減し、気流の運動エネルギー利用率を高めるとともに、末端サイレンサとしての役割も兼ね備えています。

四、構造および性能上の特長

対向回転二段インペラ構造により送風機効率が高く、送風距離が長く、省エネルギー性に優れています。

全体が隔爆構造で、安全性が高く、炭鉱や金属鉱山など爆発性ガスが存在する環境での使用に適しています。

低騒音の消音構造により、作業環境の改善に寄与します。

多様な仕様をシリーズ化しており、さまざまな坑道断面や作業面通気の要求に対応できます。

保守が容易で耐用年数が長く、設計使用寿命は5年以上、安全運転時間は13 000時間に達します

送風機の技術性能および外形・据付寸法表